002:ささいなクレームほど大きなクレームになりがちなワケ

例えばコップ一杯のお水の出し忘れが『社長を出せ!』という大きなクレームになるケースがありますが、これには理由があります。

 

大きなクレームは、実はささいなことから生まれます。大きいミスは案外解決に向かうのが早いものなのです。私の経験から、飲食店でお客様に頭から水を掛けてしまったとんでもない失敗ほど大トラブルにならず、頼んだお水を持ってくるのが遅かったと言うような、ささいなことが大トラブルに発展したケースが多くあります。

その理由はなんでしょうか。それは対応した従業員が『ささいなことだ』と思っているからに他なりません。頭から水を掛けてしまったようなミスは、誤る従業員の言葉も表情も心からお詫びしていますが、コップ一杯の水をお待たせしてしまったお客様に対応した従業員が、心の中で『なによ、水1杯くらいで何をそんなに怒っているの?馬鹿みたい。子供じゃあるまいし・・・』と思う気持ちが表情に出てしまい、それにお客様が怒っているのです。

 

お客様から『なんだ、その態度は!』と言われた従業員の不満そうな顔を見たお客様は、更に『だから・・、なんなんだその態度は!社長(責任者)を出せ!』と炎上させてしまうのです。

 

特に、第一印象、ファーストコンタクトが大切です。人の感情は実に良く顔に表れます。顔は正にスクリーンと同じです。(嫌だな、またクレームだ)(疲れたな)(面倒だな)という気持ちは、口に出さなければ大丈夫と安心しないことです。相手には表情から実によく読み取られています。また、日頃のくちぐせにも気をつけましょう。「はぁ」「ええ」「なるほど」等は、偉そうに感じられるものです。

 

コミュニケーションの影響について、心理学者メラビアンのノンバーバルの法則

 

視覚情報(表情・姿勢・態度・しぐさ・アピアランス等)が55%
聴覚情報(声のトーン・語気・抑揚等など)が38%
言語(バーバル)の部分はわずかに7%

 

要するに言語以外の部分が93%を占めていることを意識して接客応対することです。

 

現場だけでなく、管理本部などでもお客様からの問い合わせに対し、「では、その件は後ほどこちらから連絡いたします。」と約束しておきながら、他の繁雑な業務から忘れてしまい、ささいなクレームが炎上してしまう場合があります。クレームは他の業務に優先して行い、漏れのないよう確認しましょう。クレームは火事と同じく、火の粉の内に消火しないと、時間とともに炎上することを忘れないで下さい。